ゆたかな味のワイン
農園
ブドウの栽培は1年がかり

ブドウはワインの原料となるため管理が重要。そのため栽培は1年がかりで行います。次の収穫に向け、休まず準備は始まるのです。冬は土壌の整備や枝の剪定、春は新芽と枝葉の手入れ。夏になると次第に実を付け、徐々にブドウの果実が色付き始めます。この頃、果実への養分調整とカビなどによる病気予防の目的で、伸びてきた枝の先端を切り落とし、果実周辺の一部の葉を摘みます。さらに、余分な房を間引き、数を制限することで熟して凝縮した風味のブドウに仕上げていきます。こうした作業を行い、実りの秋を迎えるのです。

農園
各農園で品質向上に努める

広島県北部に位置する三次市の東酒屋、上井田、畠敷の3地区の広大な敷地に、自社農園と契約農家の専用圃場が連なります。自社農園では、赤ワイン用の「シラー」、「メルロー」、「ピノ・ノワール」などのヨーロッパ品種を、契約農家では、人気の品種である白ワイン用の「シャルドネ」や日本の品種である「小公子」などを育てています。
各農園で栽培方法が異なり、自社農園では垣根式を、契約農家では伝統的な棚式を採用しています。収穫できる量は、品種や樹の状態、粒の大きさによりさまざまで、例えば、自社農園のピノ・ノワールの場合、1枝に1房と収量を制限しているため、1反あたりの収穫量は500kg。また、契約農家においては、通常9月末から10月初旬に収穫するブドウを、一部10月末まで引き伸ばす「遅摘み」を取り入れています。品種やワインのイメージに合わせた栽培をすることで、より味わい豊かなブドウになるのです。各農園で試行錯誤を繰り返しながら、日々、品質向上に努めています。

貯蔵庫
安心安全な醸造で理想の味を追求

ワインの醸造は、簡単にいえば、ブドウを潰して果汁を発酵させるというもの。赤、ロゼ、白、スパークリングと、醸造方法はそれぞれ異なります。造り手は、果実から味わいや香りなどを引き出すため、ブドウの仕分けはもちろん、発酵の温度や時間、使用する樽など、細部にまでこだわって醸造しています。また、三次ワイナリーの醸造現場には、破砕したブドウから果汁を搾る圧搾機、果皮や種子と一緒に発酵させる醸しタンク、発酵を促すステンレスタンク、最新瓶詰作業ラインといった設備も完備。理想の味を追求するとともに、安心・安全なワイン造りに取り組んでいます。

貯蔵庫
自由に見学できるワイン貯蔵庫

施設の地下には、木樽が並ぶワイン貯蔵庫があります。貯蔵庫内は薄暗く、ワインの熟成に最適な約14℃に設定しています。木樽で熟成することで、樽由来の風味が抽出され、香りや味わいに重厚感を与えます。ワイン貯蔵庫は窓越しで自由に見学が可能。さらに、ブドウ畑の作業風景、醸造過程などの資料も展示しているので、ワインについて知識を深めることができます。